「トランス脂肪酸」を避けるために

 

 さらに、ここで触れておきたいのが、最近、報道などで話題を集めている「トランス脂肪酸」のことです。大然の植物油にはほとんど含まれていません。しかし、不飽和脂肪酸に水素を加えると、飽和脂肪酸になって固まります。この時、飽和脂肪酸にならなかった。部の不飽和脂肪酸を「トランス脂肪酸」と呼んでいます。

 

 このトランス脂肪酸が動脈硬化を促進し、心筋梗塞を増やすこと、アレルギーや認知症を促進するというデータが発表され、欧米では大かな注目を集めました。調理による加熱で過酸化脂質が発生するという説もあり、がんとの関係も濃厚に疑われています。

 

 トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニング、これらを使ったスナック菓子、ビスケットやクッキー、食パンなど多くの加工食品に含まれています。プロセスチーズにも含まれています。非常に広範囲にわたって、とくに油を使った市販商品に含まれている可能性が高いといえます。

 

 欧米ではすでにトランス脂肪酸の含有量を制限したり、メーカーが自主規制に動いています。欧米に比べれば、日本人がトランス脂肪酸をとる割含はまだ少ないと言われていま りすが、体内に毒をなるだけいれない、というのは食事療法の基本中の基本。がんの患者さんには、トランス脂肪酸をできるだけ避けてほしいと思います。

 

 市販の食パンにマーガリンを塗って食べるのは避けてほしい。チーズも食べるならば、プロセスチーズではなく、質のよいナチュラルチーズなどを選ぶことをお勧めします。

 

 けいものについては、「程度間題」とお答えしています。あんこを使う和菓子などは、小豆が原料ですが、砂糖が上白糖でないか気になります。さらに、ケーキなど洋菓罫をお勧めしないのも、使用されている脂肪・油が間題だからです。コーヒー・紅茶は、とくに制限していません。

がん再発を防ぐ完全食:済陽高穂著より