アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム

アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム

  ampicillin sodium・sulbactam sodium (略:ABPC・SBT)

ユナシンーS (Unasyn-S)静注用

 

 βラクタマーゼ阻害薬配合抗菌薬。スルパクタムはβラクタマーゼ阻害薬でβ-ラクタマーゼによるβ一ラクタム系抗生剤の加水分解を不可逆的に阻正する。アンピシリンは細菌の細胞壁合成を阻害することにより殺菌的に作用するが、β-ラクタマーゼに不活化されやすい。これら両剤の協力作用により、耐性菌に対して相乗的に作用し殺菌的抗菌作用を発揮する。

 

肺炎、肺化膿症、膀胱炎、腹膜炎

 

 9.0~9.3 (l.5g/IO111L注射用水、生理食塩液、5%ブドウ糖液)

 

 溶解後は速やかに使用すること。特にブドウ糖、フルクトース、キシリトール、マルトースなどの糖質含有溶解液に溶解した場合にはアンピシリンの力価が低下するので速やかに使用し保存しないこと。

 

1日3~6gを2回分割静・点滴静注、

 

 分割静・点滴静注

 

伝染性単核症

 

 ①ショックを起こすことがあるので、十分な問診を行うこと。事前に皮膚反応を実施することが望ましい。

 

 ②静注の際には。注射用水、生理食塩液、ブドウ糖液で溶解し緩徐に静注すること。

 

 ③点滴静注に際しては、糖液、電解質液またはアミノ酸製剤などの補液に加えて30分~2時間で点滴静注を行う。他の補液ルート(中心静脈栄養ルートは除く)を確保している場合は側管より行うこと。

 

 ④静胴内大量投与により血管痛、血栓または静脈炎を起こすことがあるので、注射部位、注射方法などに十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。

 

 ⑤配合変化:7.0以下の酸性領域。

 

  アンピシリンとアミノ配糖体系抗生物質製剤を混合すると力価が低下するので、併用に際しては投与部位を変える、および1時間以上投与間隔をあけるなど投与方法に注意すること。

 

 

イミペネム・シラスタチンナトリウム

 

   imipenem・cilastatin sodi凵m (IPM・CS)

 

チエナム(Tienam)点滴用・筋注用、インダスト、チエペネム

 

 カルパペネム系抗菌薬。細菌のペプチドグリカン細胞壁の特異的合成阻害により強力な殺菌作用を有する。β-ラクタマーゼに対して安定であり、かつ緑膿菌大腸菌などのグラム陰性菌の産生するβラクタマーゼに対し阻害作用を示す。

 

感染性心内膜炎、骨髄炎、関節炎、創傷の二次感染、気管支炎。

 

 気管支拡張症の感染時|呼吸器疾患の二次感染、肺炎、肺化膿症、膿胸、腎盂腎炎、膀胱炎、前立腺炎コ担嚢炎、胆管炎、肝膿瘍、腹膜炎、子宮付属器炎、子宮内感染、骨盤死腔炎、子宮旁結合織炎、バルトリン腺炎、全眼球炎、角膜潰瘍

 

6.5~8.0(点滴用)、6.0~7.5(筋注用)

 

点滴用は溶解後は速やかに使用すること。なお、保存を必要とする場合は室温保存で4時間以内に使用すること。筋注用は懸濁液調製後は30分以内に使川すること。

 

[静注用]1日0.5~lg(小児:30~80mg/kg)を2~4」亘|分割、生理食塩液100mLを用いて、よく振盪して溶解し30分以上かけて点滴静注、1日2g(小

 児:lOOmg/kg)まで増量可 [筋注用]1日0.5~1g2回分割筋注

バルプロ酸ナトリウム投与中

 

 ①ショックを起こすことがあるので、十分な問診を行うこと。事前にチエナム皮内

  反応用を用いて皮膚反応を実施することが望ましい。

 ②注射川水は溶液が等張とならないため使用しないこと。

 ③溶解時、溶液は無色から微黄色澄明を呈するが、色の濃淡は本剤の効力には影響

  しない。

 ④寒冷期には溶解液を体温程度まで温めて使用すること。

 ⑤イミペネムが分解され尿が赤褐色を呈することがある。

 ⑥筋注用はリドカイン(0.5W/V%)に溶解し、よく振盪して懸濁すること。

 ⑦配合変化:pH4.2以下の酸性領域またはpH9.17以上のアルカリ性領域で微黄色を呈

  する。

   [例]〈配合不可〉乳酸塩とは化学的不安定であるので乳酸塩を含んだ溶液に溶解

  しないこと。