顆粒剤の特徴

 

 古くから使用されてきた散剤には,付着・凝集性や飛散性など,調剤の際の取り扱いやすさと服用のしやすさに問題点があった.これらを改善する目的で導入されるようになったのが顆粒剤である.

 

 顆粒剤の利点と欠点には次のようなことがあげられる.

(1)利点

 ①粒度がそろっているので粒休としての特性があり,散剤に比べると流動

  性や充てん性がすぐれている.したがって,自動分包機での分割が容易

                    で,分包時シール部分に粉末が付着することが少ない.

 ②飛散性・発塵性が小さい.

 ③散剤より服用しやすい.

 ④適当な製剤加工で服用しやすい味に変えることができる.

 ⑤剤皮などの製剤設計で崩壊性や溶出速度を調節できる.

 なお,以前は粒度がそろっているので合匙を用いて任意の一定量を正碓に取ることができることも利点とされていた.しかし,合匙などの計容量法で調剤するには,あらかじめ容量と重量との対応を顆粒剤ごとに調べておく必要があり,顆粒剤の種類が多いとそれだけ手間がかかることになる.そのため顆粒剤もしだいに秤量調剤されるようになり,現在では合匙の使用は一般的ではなくなってきている.

(2)欠点

 ①一般に転動性が大きいので薬匙などで扱いにくい.

 ②粒度,かさ密度あるいは配合量の異なる顆粒剤相互,または顆粒剤と散

  剤とは均一な混合は困難であるとされている.