持続性錠剤
不溶性あるいは難溶性物質を利用して,薬物の拡散あるいは溶解を制御して,1[回の服用によって一定時間一定量の薬物が連続的に放出されるように設計されたものである.徐放性とか持効性とも呼ばれる.これら徐放性製剤は,顆粒剤,カプセル剤を含めてこれらの製斉ll設計を理解することが好ましい.
①ワックス・マトリックスWax Matrixes : 疎水性・親水性の放出抑制物
質である基剤のマトリックス中に薬物を分散させて単純に打錠したのも
ので,マトリックスから,またはその崩壊により徐々に薬物が放出,され
る錠剤である.
[市販医薬品例]ヘルベッサー錠,スローケー,スローフィー,プロタノール
S錠,MSコンチン錠,テオドール綻50
②グラデュメットGradumets : 多孔性の不溶性プラスチックマトリック
スに包含された薬物が消化管液に拡散して放出されるタイプの錠剤であ
る.
[市販医薬品例]フェログラデュメット
不溶性物質を基剤としてではなく皮膜として用いた徐放性皮膜錠(市
販医薬品例 フェロリタード),また多孔性高分子皮膜で被包し,皮膜孔か
ら薬物が拡散する微透析顆粒を充てんしたカプセル製剤などがある.
[市販医薬品例]ニトロールR,インデ`ラルLA,スロービット,テオロング
錠(微透析顆粒を含有する錠剤)
③レペタブRepetabs : 腸溶性コーティング錠の外側を胃内で溶解する肖
溶屑(速溶層)で覆った複層錠である.
[市販医薬品例]ポララミン復効錠,トリラホンニ層錠
④スパンスールSpansules : コーティング層の厚さが異なり薬物の放出時
間に差のある数種の顆粒をカプセルに充てんした製剤である.
通常,胃溶・腸溶性混合顆粒,または速溶・遅溶性混合顆粒を充てん
したカプセル(市販医薬品例 ペルジピンLA,セパミットーR, L-ケプラー
ルなど)をいうが,類似形として速溶性皮膜錠と徐放性皮膜錠を一緒にカ
プセル充てんした製剤(市販医薬品例 ベトリロール一口がある.
⑤スパンタブSpantabs : 速溶層と徐放層を重ね合わせた二層からなる錠
剤である.
⑥ロンタブLontabs : タイムスパンTin!espan,エクステンタブExtentab
とも呼ばれる.速溶性の外殻層と徐放性の内殻層を,二重あるいは三重
にもつ錠剤である.
L市販医薬品例]カルビスケン一R
⑦スペイスタブSpacetabs : 徐放性皮膜によりコーティングされた顆粒と
速放性のマトリックス(つなぎ部分)からなる錠剤である.
[市販医薬品例]フランドル
⑧レジネートResinates : イオン交換物質に薬物を結合させて消化管液中
のイオンと薬物を徐々に交換させて放出することを意図した製剤であ
る.
[市販医薬品例]ハイスクミン錠