カプセル剤の特徴

 カプセル剤の利点と欠点には錠剤と重複するものが多いが,そのほかに次のことがあげられよう.

 

(1)利点

 ①粉末や顆粒剤のような形状の医薬品のほかに液状のままの医薬品も充

  てんできる.

 ②錠剤に比べカプセルの崩壊による速やかな分散が期待できる.

(2)欠点

 ①湿度の影響を受けやすい.

 ②水性液剤や水溶性塩には不向きである.

 

カプセル剤の試験

 

(1)カプセル剤の重量偏差試験(日局一般試験法参照)

 

 カプセル剤の重量偏差試験は,まずカプセル剤そのものの重量につき以下の試験を行うが,適合しないときは硬カプセル剤と軟カプセル剤とで操作が異なる.一般に,前者の内容物は粉体であるが後者の内容物は液体であるからである.

 

 本剤30個をとり,初めに10個についてその重量を精密に量り,判定値を計算するとき,この値が15.0%を超えないときは適合とする.判定値が15.0%を超えるときは,更に20佃について同様に重量を測定し,2回の試験の合計30個についての判定値を計算するとき,この値が15.0%を超えず,かつ個々の製剤の含量の推定値と表示量の偏差が表示量に対し25.0%を超えるものがないときは適合とする.

 

 上記の試験に適合しないときは,以下の方法で内容物の重量を測定し試験を適用する.

 

 (1)硬カプセル剤

 

 本剤の個々の重量を精密に量る.このとき,個々に番号をひかえるなど識別して,各製剤とその重量との対応に留意する.カプセルを開き,内容物を小さなはけなどを用いて除去し,個々の空のカプセルの重量を精密に量る.個々の製剤の重量から対応する空のカプセルの重量を差し引いて,その製剤の内容物の重量とする.

 

 (2)軟カプセル剤

 

 本剤の個々の重量を精密に量る.このとき,個々に番号をひかえるなど識別して,各カプセル剤とその重量との対応に留意する.カプセルを切り開き,内容物をエーテルなどの揮発性の溶媒で洗い出す.ろ紙などで空のカプセルから溶媒を除去し,室温に放置してカプセルに含まれている溶媒を蒸発させある.このとき,カプセルが特に|吸湿又は乾燥することを避ける.個々の空のカプセルの重量を精密に量り,個々のカプセル剤の重量から対応する空のカプセルの重量を差し引いて,そのカプセル剤の内容物の重量とする.

 

(2)崩壊試験

 

 カプセル剤は別に規定するもののほか,崩壊試験に適合しなければならないが,溶出試験法の適用を受けるものは崩壊試験は適用されない.

 

 崩壊試験は「試験液に水を用い,補助盤を入れ,20分間上下運動を行った後,観察するとき,試料の残留物をガラス管内に認めないか,又は認めても皮膜であるか,若しくは軟質の物質若しくは泥状の物質がわずかのときは適合とする.試料6個中,試料の原形をとどめるもの1個,又は皮膜が溶解,開口若しくははく離しても内容医薬品の放出が認められないもの1個を残すときは,新たに試料6個をとってこの試験を繰り返し,試料の残留物をガラス管内に認めないか,又は認めても皮膜であるか,若しくは軟質の物質若しくは泥状の物質がわずかのときは適合とするコと規定している.

 

 腸溶性カプセル剤は,腸溶性製剤の崩壊試験法に適合しなければならない.

 

 インドメタシンカプセルは溶出試験法の適用を受けるカプセル剤である.