カプセル剤の調剤上の注意事項

 日局ではカプセル剤は[密閉容器又は気密容器に保存する.]と規定している.カプセル剤は湿度の影響を受けやすく,乾燥しすぎると亀裂や重量減を生じ,吸湿すると重量増や変形を生じ,さらには内容医薬品の変質を加速することになる.カプセル剤の保存には相対湿度30~50%がよいといわれている.市販品は通例逶湿性の少ない材質を用いたPTPやSP包装のものが多いが,びん詰めのものもある.

 

 カプセル剤も錠剤と同様,処方にはカプセルの数が記載されたり,単一成分の場合で成分総量が記載されたりする.同一医薬品でも含量が異なるものがあるので,いずれのものを用いるかを確かめなければならない.

 

 カプセル剤が散剤と配合されて処方された場合,散剤のなかへ直接カプセル剤を入れることは通例行わない.散剤は別に包装し,カプセル剤と同時に服用するよう指示する.

 

 1処方中に2種類以上のカプセル剤がある場合は内袋を用いてそれぞれの用法を示すか,またはカプセルの色,形,大きさなど区別がはっきりできることがらを用いて指示する.

 

 カプセル剤は原則としてカプセルをはずすことはしない.しかし,幼児や高齢者など嚥下能力の低い患者に対して,カプセルをはずして分割調剤するよう処方されることがある.分割数とカプセル数が等しいときはカプセル1個ずつの内容医薬品をそれぞれ分包すればよい.分割数とカプセル数が等しくないときでも,内容医薬品が散剤や均質の顆粒剤のときは散剤あるいは顆粒剤として調剤する.しかし,内容医薬品が胃溶性と腸溶性の顆粒剤の組み合わせであったり,粒子径の異なる医薬品の組み合わせの場合は均等に分割しにくいので,その旨処方医に連絡し,処方を変更した後に調剤する.