案件紹介の一斉メールを繰り返す翻訳業者

低単価で依頼できなかったり、さらなる単価の引き下げに了解してもらえない場合、翻訳会社はすぐに他の翻訳者に依頼してしまうため、低単価の小さい案件でも引き受ける翻訳者に案件が集中し、時々入る大きな案件もその翻訳者に回されてしまうため、とくに正当な理由もなく仕事が入らなくなってしまいます。

 

翻訳業者のほとんどはものすごい短納期の案件メールを定期的に送っています(だいたいは週末までに終わられろというものです)。特定の翻訳業者、とくに一人で営まれている翻訳会社は、前もって作成しておいた文言を何度も使用して仕事を紹介しています。私はある翻訳会社からのリクエストに毎回「YES」と応えていましたが、実際に仕事のオファーを受けたのは1年間で1回だけでした。どういうことなのか説明を求めたところ、それ以来メールは送られてこないようになりました。私はリストから外されたようです。

 

その他の会社は、そのようなメールを送らないように頼み、リストから自分を外してもらえるようお願いしたのですが、3回もお願いしたのですが・・・それでも依然としてメールが送られてきます。もうメールを送らないと約束していただいたのに、このような状況なので、どうしたらいいのか途方に暮れています。彼のしつこいメールにはうんざりしています。彼自身も翻訳者であり、アメリカ人なので英語で理解を求めているのですが、だめですね。彼は今日の翻訳市場における典型です。60%以上の翻訳会社は一人の翻訳者によって経営されています。彼らは数百人の翻訳者リストを作り、もっと安く引き受ける翻訳者に仕事を横流ししているだけです。

 

自分のクライアントを初めて獲得したとき、あなたはそれまでに費やした努力と時間に価値があったことを理解するでしょう。そして残りの人生は仕事のほとんどをクライアントから直接受けることになります(その会社が存続する限りは・・・)。しかし翻訳会社は、あなたの仕事に満足している場合でも、その感情をあなたに伝えることはないでしょう。翻訳会社側はターゲット言語を話すことができず、訳文の質を評価できないことが多いのです。そして仮に褒めた場合には、単価を引き上げられるかもしれないと恐れているのです。

 

エリキシル剤

 日局の髓剤総則にはエリキシル剤は,通例,甘味及び芳香のあるエタノールを含む澄明な液状の内用剤である.本剤を製するには,通例,医薬品又はその浸出液にエタノール,精製水,芳香剤及び白糖,そのほかの糖類又は甘味剤を加えて溶かし,ろ過又はそのはかの方法によって澄明な液とする.本剤には,必要に応じて溶解補助剤,着色剤,保存剤などを加えることができる.本剤に用いる容器は,気密容器とするコと規定されている.

 

 エリキシル剤中の溶質は通常水溶性とエタノール可溶性成分の両者よりなっている.澄明な溶液として存在させるために必要なエタノールの割合は溶質の溶解性によって異なるが,一般には必要最小量のエタノールが用いられている.エタノールの含量は4~40%で,主薬を溶解させるために多量に加えたものもあれば,単に芳香をつけるために芳香精を加えた程度のものもあり,さらに溶解性を高めるため,これにグリセリンプロピレングリコールソルビトール,シロップを加えたものもある.エリキシルをアルコール濃度が低い溶液や水溶液で希釈すると,主薬が析出することがあり,注意を必要とする.

 

 エリキシル剤は,芳香剤および甘味剤のみを含み,これに医薬品を溶かして用いる賦形剤ともいうべき芳香エリキシル(単エリキシル)と,治療用医薬品を含みその薬効を期待する治療用エリキシルに分類される.しかし,治燎用エリキシルも賦形剤的に用いられることがある.例えば,フェノバルビタールエリキシルに臭化物を配合して鎮静作用を増強させたり,抗コリン薬を配合して胃液の分泌抑制と胃の運動を抑制させる場合などがある.

 

 エリキシル剤はシロップ剤に比較すると甘味も少なく粘性も低い.単エリキシルを矯味剤としての立場からみると,シロップ剤のほうが矯正能力は大きいが,エタノール可溶性薬物の溶解液としての利用価値は大きい.特にある薬物を内用液剤として調製する必要を生じた場合,溶解力および味覚にすぐれた賦形剤として,また既存のエリキシル剤の希釈用として適している.

 

 元来,エリキシル剤は他薬を配合せず,単味そのままで服用するようにつくられた製剤である.近年は懸濁シロップ剤中に処方されることが多いが,その剤形をそこなわないように注意する必要がある.

 

 もっともよく用いられる治療用エリキシルで,市販品のフェノバルビタールの含量は0.4%である.水性エタノール以外に溶解性を高めるためグリセリンプロピレングリコールを用い,さらに単シロップが添加されている.

 

「浸剤及び煎剤は,いずれも生薬を,通例,精製水で浸出して製した液状の製剤である.」と定義されている.

 

 また,「本剤を製ずるには,通例,生薬を次の大きさとし,その50 gを量り,浸煎剤器に入れる.

乳剤の調製法

 

 1)乳剤にしない例

 

 ヒマシ油には加杳ヒマシ油があり,次の処方で頓用される.

  [処方] 加香ヒマシ油 Aromatic Castor Oil

       精 製 水  Purified Water

                         各々 20.0 mL

         以上頓用

             (適応:下剤)

 精製水20mLの上に加香ヒマシ油20 mLを層積して交付する.

 

 2)界面活性剤を使用する例

[処方] 肝油

      Span 60

      Tween 80

      精 製 水

Cod Liver Oil

 Purified Water

(適応:栄養剤)

   300 mL

    30g

    20g

全量 1000 mL

 

 これは3倍用肝油乳剤(予製剤)である.肝油を微温に保ち,これにSpan60およびTween 80 を溶かした後,同温にした適量の水を加え激しく振とうして乳剤とする.

 

 日局の製剤総則には,「シロップ剤は,白糖の溶液又は白糖,そのほかの糖類若しくは甘味剤を含む医薬品を比較的濃稠な溶液又は懸濁液などとした液状の内用剤である.本剤には,医薬品の性質により,用時溶解又は懸濁して用いる製剤もある.本剤には,別に規定するもののほか,芳香剤,着色剤,保存剤,安定剤,懸濁化剤,乳化剤,粘稠剤などを加えることができる.」と規定されている.

 

 シロップ剤は本来白糖の濃厚な溶液であったが,小児用の投与剤形として懸濁シロップ液が繁用され,さらにドライシロップといわれる剤形が用いられるに至り,シロップ剤の範囲が拡大された.

 

(1)溶液型シロップ剤

 

 日局には単シロップ,セネガシロップ,トウヒシロップ,l・コンシロップおよびトリクロホスナトリウムシロップの5種類が収載されている.

 

 一般に薬用量が小さく,水溶性のものは溶液型のシロップとする.

 

 [市販製剤例]

  アリメジンシロップ

    (lmL中酒石酸アリメマジン0.5 mg含有)

  ビソルボンシロップ

    (lmL中塩酸ブロムヘキシン0.8 mg含有)

  ブリカニールシロップ

    けmL中硫酸テルブタリン0.5 mg含有)

  ペリアクチンシロップ

    ( 1 mL中塩酸シプロヘプタジン0.4mg含有)

  メジコンシロップ

    (1mL中臭化水素酸デキストロメトルファン2.5 mg含有)

  メプチンシロップ

    (1mL中塩酸プロカテロール5μg含有)

 

(2)懸濁シロップ剤

 

 懸濁シロップ剤は,難溶性医薬品を微粉末とし,適当な懸濁化剤を加えてシロップ剤に懸濁させた内用液剤である.薬物粒子の沈降を防ぎ,再分散性をよくするため,懸濁化剤や粘稠剤のはかに,界面活性剤や電解質などの添加剤が加えられている.小児を対象とする濃厚懸濁シロップ剤として市販されているものには,解熱剤,鎮咳剤,抗生物質などのシロップ剤がある.

 

 懸濁シロップ剤の利点は,①不溶性もしくは難溶性医薬品の液剤療法が可能である,②水溶液中で不安定な医薬品の液剤療法が可能である,③味の悪い医薬品の液剤療法が可能である,などである.欠点としては,常に振とうして剤形の均一一性に留意する必要があり,また配合時における剤形が不安定であることがあげられる.

 

 これらの懸濁シロップ剤を実際に投与する場合,注意しなければならないことは,従来の水剤のように投薬びんに入れて,その目盛りによって服用するために,水で薄めて与えることは好ましくない.すなわち,一般に市販の懸濁シロップ剤は,そのままの状態でもっとも安定に調製されているのであって,その比較的高い粘稠度が製剤の分離を防ぐ重要な因子となっている.したがって,水で薄めると分離が促進される.やむをえず薄める場合には,水を用いずに,単シロップあるいは希釈液(懸濁液剤用卜3などを用いるのがよい.なお,この場合は計量カップあるいは計量匙を添付し,1回の服用量がその計量カップまたは計量匙の整数倍になるように希釈液を加え謌製して与える必要がある.

 

  塩酸ドキシサイクリンシロップは1mL中塩酸ドキシサイクリン5 mgを含むものが市販されている.

 

 塩酸ドキシサイクリンシロップ40mLを量取し,単シロップ10 mLを加え全量50mLに調製する.

 

  [処方2] マレイン酸クロルフェニラミンシロップ

         Chlorpheniramine Maleate Syrup      5 mL

        フェノバルビタールエリキシル

         Phenobarbital Elixir              6 mL

 

 マレイン酸クロルフェニラミンシロップ10 mL,フェノバルビタールエリキシル12 mLをそれぞれ量取し,単シロップ8mLを加えて全量30mLに調製して,1回2匙ずつ服用と指示して与える.交付の際,用量2.5 mLを添付する.

 

 塩酸シプロヘプタジンは0.04%シロップ剤,ヒベンズ酸チペピジンは0.5%シロップ剤,トラネキサム酸は5%シロップ剤である.

 

 塩酸シプロヘプタジンシロップは0.4 mg/mLで15 mL, ヒペンズ酸チペピジンシロップは5 mg/mLで12 mL, トラネキサム酸シロップ・は50 mg/mLで18 mLをそれぞれ量取し,単シロップ35 mLを加えて全量80mLに調製し,1回20mLを服用する.

 

 [市販製剤例]

 

  アスペリンシロップ

    ( 1 mL中ヒベンズ酸チペピジン5.54 mg 含有)

 

  カナマイシンシロップ

    (lmL中硫酸カナマイシン50 mg力価含有)

  ファンギソンシロップ

    (lmL中アムホテリシンB100 mg力価含有)

  ポンタールシロップ

    (lmL中メフェナム酸32.5 mg含有)

 

(3) ドライシロップ剤

 

 ドライシロップ剤は,日局製剤総則シロップ剤の「用時溶解又は懸濁して用いる製剤」に相当する.

 

 本剤は用時水を加えて懸濁液剤とするように,主薬に白糖,分散剤などを加えて顆粒状に製したものである.ある種の抗生物質,化学療法剤などは液剤として経時すれば,その力価,効力が低減することがあり,また懸濁している薬品が沈降し,容易に復元しないことがある.このような場合に用いる剤形である.懸濁液として調剤する場合, 0.125~0.25% CMONaを分散剤として用いたほうが好ましい.

 

 なお,本剤を加えて懸濁液剤とするときは,すでに懸濁シロップ剤となっている製剤に比べて分散状態が悪いので,よく懸濁させてから交付するように注意しなければならない. (2)の懸濁シロップ剤の場合と同様に希釈液を用いるのがよい.なお,ドライシロップ剤は,顆粒状のまま分包し投与して服用と1回分を適量の水を加えて内服する場合もある.4日分までの処方では懸濁剤として交付し,5日分以上の処方では,用時溶解または懸濁し

て用いる製剤として散剤付水剤にするとよい.

 

 ドライシロップ剤は一般に吸湿性で,固形のまま保存しても力価の低下するおそれがあるため,分包して投与する場合には気密性に注意し,薬剤を低温,低湿度の場所に保存するよう患者に指示することが必要である.

 

  [処方|] ヒベンズ酸チペピジンシロップ

 Tipepidine Hibenzate Syrup

塩化リゾチームシロップ

 Lysozyme Chloride Syrup

塩酸ツロブテロールドライシロップ

 Tulobuterol Hydrochloride Dry Syrup

 

ドライシロップ剤を溶かした後,他のシロップ剤を加えてセフロキサジンドライシロップ

 

 Cefroχadine Dry Syrup

 

塩化リゾチームシロップ

 Lysozyme Chloride Syrup

  以上1日量,1日3回

  与7日分

 

[市販製剤例]

 エチルコハク酸エリスロマイシンドライシロップ

  (lg中エリスロマイシン100 mg または200 mg 力価含有)

 ケフレックスドライシロップ

  (1只中セフアレキシン100 mg, 200 mg, 250 mg または500 mg 力価含有)

 ビクシリンドライシロップ

  (1g中アンピシリン100 mg 力価含有)

 ビブラマイシンドライシロップ

  け只中塩酸ドキシサイクリン20 mg力価含有)

カプセル剤の調剤上の注意事項

 日局ではカプセル剤は[密閉容器又は気密容器に保存する.]と規定している.カプセル剤は湿度の影響を受けやすく,乾燥しすぎると亀裂や重量減を生じ,吸湿すると重量増や変形を生じ,さらには内容医薬品の変質を加速することになる.カプセル剤の保存には相対湿度30~50%がよいといわれている.市販品は通例逶湿性の少ない材質を用いたPTPやSP包装のものが多いが,びん詰めのものもある.

 

 カプセル剤も錠剤と同様,処方にはカプセルの数が記載されたり,単一成分の場合で成分総量が記載されたりする.同一医薬品でも含量が異なるものがあるので,いずれのものを用いるかを確かめなければならない.

 

 カプセル剤が散剤と配合されて処方された場合,散剤のなかへ直接カプセル剤を入れることは通例行わない.散剤は別に包装し,カプセル剤と同時に服用するよう指示する.

 

 1処方中に2種類以上のカプセル剤がある場合は内袋を用いてそれぞれの用法を示すか,またはカプセルの色,形,大きさなど区別がはっきりできることがらを用いて指示する.

 

 カプセル剤は原則としてカプセルをはずすことはしない.しかし,幼児や高齢者など嚥下能力の低い患者に対して,カプセルをはずして分割調剤するよう処方されることがある.分割数とカプセル数が等しいときはカプセル1個ずつの内容医薬品をそれぞれ分包すればよい.分割数とカプセル数が等しくないときでも,内容医薬品が散剤や均質の顆粒剤のときは散剤あるいは顆粒剤として調剤する.しかし,内容医薬品が胃溶性と腸溶性の顆粒剤の組み合わせであったり,粒子径の異なる医薬品の組み合わせの場合は均等に分割しにくいので,その旨処方医に連絡し,処方を変更した後に調剤する.

カプセル剤の特徴

 カプセル剤の利点と欠点には錠剤と重複するものが多いが,そのほかに次のことがあげられよう.

 

(1)利点

 ①粉末や顆粒剤のような形状の医薬品のほかに液状のままの医薬品も充

  てんできる.

 ②錠剤に比べカプセルの崩壊による速やかな分散が期待できる.

(2)欠点

 ①湿度の影響を受けやすい.

 ②水性液剤や水溶性塩には不向きである.

 

カプセル剤の試験

 

(1)カプセル剤の重量偏差試験(日局一般試験法参照)

 

 カプセル剤の重量偏差試験は,まずカプセル剤そのものの重量につき以下の試験を行うが,適合しないときは硬カプセル剤と軟カプセル剤とで操作が異なる.一般に,前者の内容物は粉体であるが後者の内容物は液体であるからである.

 

 本剤30個をとり,初めに10個についてその重量を精密に量り,判定値を計算するとき,この値が15.0%を超えないときは適合とする.判定値が15.0%を超えるときは,更に20佃について同様に重量を測定し,2回の試験の合計30個についての判定値を計算するとき,この値が15.0%を超えず,かつ個々の製剤の含量の推定値と表示量の偏差が表示量に対し25.0%を超えるものがないときは適合とする.

 

 上記の試験に適合しないときは,以下の方法で内容物の重量を測定し試験を適用する.

 

 (1)硬カプセル剤

 

 本剤の個々の重量を精密に量る.このとき,個々に番号をひかえるなど識別して,各製剤とその重量との対応に留意する.カプセルを開き,内容物を小さなはけなどを用いて除去し,個々の空のカプセルの重量を精密に量る.個々の製剤の重量から対応する空のカプセルの重量を差し引いて,その製剤の内容物の重量とする.

 

 (2)軟カプセル剤

 

 本剤の個々の重量を精密に量る.このとき,個々に番号をひかえるなど識別して,各カプセル剤とその重量との対応に留意する.カプセルを切り開き,内容物をエーテルなどの揮発性の溶媒で洗い出す.ろ紙などで空のカプセルから溶媒を除去し,室温に放置してカプセルに含まれている溶媒を蒸発させある.このとき,カプセルが特に|吸湿又は乾燥することを避ける.個々の空のカプセルの重量を精密に量り,個々のカプセル剤の重量から対応する空のカプセルの重量を差し引いて,そのカプセル剤の内容物の重量とする.

 

(2)崩壊試験

 

 カプセル剤は別に規定するもののほか,崩壊試験に適合しなければならないが,溶出試験法の適用を受けるものは崩壊試験は適用されない.

 

 崩壊試験は「試験液に水を用い,補助盤を入れ,20分間上下運動を行った後,観察するとき,試料の残留物をガラス管内に認めないか,又は認めても皮膜であるか,若しくは軟質の物質若しくは泥状の物質がわずかのときは適合とする.試料6個中,試料の原形をとどめるもの1個,又は皮膜が溶解,開口若しくははく離しても内容医薬品の放出が認められないもの1個を残すときは,新たに試料6個をとってこの試験を繰り返し,試料の残留物をガラス管内に認めないか,又は認めても皮膜であるか,若しくは軟質の物質若しくは泥状の物質がわずかのときは適合とするコと規定している.

 

 腸溶性カプセル剤は,腸溶性製剤の崩壊試験法に適合しなければならない.

 

 インドメタシンカプセルは溶出試験法の適用を受けるカプセル剤である.

トローチ剤の一般調製法

 本剤は,通例,医薬品をそのまま,又は賦形剤,結合剤若しくはそのほかの適当な添加剤を加えて均等に混和してから,1)適当な方法で頸粒状とした後,滑沢剤などを加え,圧縮成型する,2)直接圧縮成型して製するか,又はあらかじめ製した顆粒に医薬品をそのまま,若しくは適当な添加剤を加えて均等に混合した後,圧縮成型して製する,3)均等に混和して湿潤塊とし,これを板状として一定の形状に打ち拔くか,又は切断した後,乾燥する,の3種類のいずれかの方法によって製して,必要に応じて芳香剤,着色剤,聯珠剤などを加えることができる.

 

トローチ剤の条件

 

トローチ剤の重量偏差試験 トローチ剤は,重量偏差試験を行うことが規定されている.

 

 この方法は製剤の重量の偏差を含量の偏差とみなし,個々の製剤の重量を測定することにより,製剤の主薬含量の均一性を推定し試験する方法である.

 

従って,含量均一性試験を適川した場合にはこの試験法を適用しない.また,定量法に規定する方法を成分含量の測定法として用いることにより,この試験法に代えて含量均一性試験法を適川することができる.

 

 本剤30個をとり,初めに10個についてその重量を精密に量り,判定値を計算するとき,この値が15.0%を超えないときは適合とする.判定値が15.0%を超えるときは,更に20個について同様に重量を測定し,2回の試験の合計30個についての判定値を計算するとき,この値が15.0%を超えず,かつ個々の製剤の含量の推定値と表示量の偏差が表示量に対し25.0%を超えるものがないときは適合とする.

 

トローチ剤の調剤

 

 トローチ剤は,保険調剤では外用薬に分類されており,原則的に外用の薬袋を用いて患者に交付する.

 

 処方せん上ではトローチ剤の用法は,処方例に示すように,一般的に内用薬と同じように指示される.薬袋上の用法記載も内川薬と同様,『1日何回1個ずつ』と表わし,さらに,①口中に含んで徐々に溶かすこと,②かみ砕いたりしないこと,③飲み込まないことなど,トローチ剤の川法の特性を,バッカル錠の場合のように服薬指導票を添付したり,あるいは薬袋上にスタンプを押すなどして指示する.

 

トローチ剤交付時の注意事項

 

 トローチ剤の患者への交付に際しては,用法について口頭でも注意を促すことが大切である.また本剤使川後は,しばらく飲食を控えさせることも指導しなければならない.-一般的に本剤は大型の錠剤のため,幼児に川いる時は,誤って気管に入らないように,本人または家族に注意を換起しておくことが必要である.

錠剤調剤のコンピュータ化

 

 

(1)自動錠剤包装機の利用

 

 コンピュータを内蔵している自動錠剤包装機は,病院における入院調剤の一回量調剤(oen dose one package system)に不可欠の調剤機器になりつつある.本機による調剤は,キーボードあるいはタッチパネルから薬剤名,1日の分量または一回の用量(錠数)あるいは薬包紙に印字する患者名を入力することによって行われる.これによって薬剤の選択,計数,分包,日数および服用指示(服用時間)の調剤プロセスのすべてが自動的に行われる.錠・カプセル剤の従来の計数調剤の作業過程のほとんどがキーボード操作にとって変わったものである.このような自動錠剤分包機を単独で機能させる場合は,調剤の正確性はキーボード操作に集約される.この場合の調剤鑑査は,調剤(分包)された薬剤を処方せんと照合して,キーボード操作とハードエラーをチェックすることである.包装された調剤薬の全部を1個ずつ識別しで確認する方法は,最善の方法ではあるが作業は容易ではない.

 

(2)自動調剤

 

 病院の情報処理にコンピュータが導入され,処方せんがコンピュータ了薬糾部へ転送されるような処方オーダーシステムが採用されている病院では,処方廿ん情報をオンラインで自動錠剤包装機へ受け,錠・カプセル剤の自動調剤が行われている.このようなオンラインによる自動錠剤調剤では,薬剤師は改めて自動錠剤包装機へ薬剤名,分量あるいは用量,用法,投与日数を入力する必要はなく,患者番号あるいは処方せん発行番号を人力するのみで調剤を行うことができる.このような調剤は処方せん監査済みであることが前提となっていなければならない..すなわち,処方オーダーシステムとオンラインでつながった自動錠剤包装機を使って調剤する場合は,オンラインシステム内の処方の監査システムは薬剤師によって医薬品情報管理が行われ,その機能によって処方監査が行われ,さらにディスプレイ上で薬剤師が処方内容を確認して,薬剤師の『調剤する意思』に基づいて自動調剤機が作動するという,調剤の原則に基づいたシステムが働いていなければならない.

 

 内動調剤の利点は,処方オーダー情報を直接利用するため,鰒械のハードエラーを除けば,処方の誤読,キーボードの操作ミス(薬剤名のタイプ、薬剤の取り違いなどの過誤の発生が抑えられることと,調剤業務の迅速化か確保されることにある.また分包紙に患者名平服薬時問を機械的に印字して服薬過誤防止が図られる意義も大きい.

 

 自動調剤における第一の過誤対策は,自動錠剤包装機への薬剤のセット,補充の管理と機械のメンテナンスにつきる.