散剤の一般調製法

 通常,秤量,混和(飾過を含む),分割,包装の順序に行う.

(1)秤量

 

 秤量には上皿天びんを用い,原則として処方記載の順序に秤量する.しかし秤量する医薬品の量に著しい差がある場合は,少量のものから秤量する.麻薬は他の配合医薬品の秤量など誤った場合を考慮して最後に秤取するのがよい.なお,これらの場合には秤取もれや二重秤取のないよう特に注意する.

 

 秤量には医薬品を秤量皿に直接秤取することなく,滑沢性のある秤量紙などを用いて行う.

 

 100 mg 未満の端数のある秤量には毒薬天びんまたは朮子大びん,化学天びんを用いるかに通常簡便で迅速な方法の一つとして倍散を用いれば,上皿天びんを使うことができる.

 

 通常,投薬回数または日数に基づく総量を一度に秤量する.ただし1包重量のバラツキを少なくするために,秤量限度は10日分以内が好ましい.また自動包装機の分包数などを考慮して秤量する.秤量の一例として14日分け7

 

 上記のように賦形剤の量が,単に適量と記載されている場合は,1回量が

0.5~1g程度になるよう乳糖を秤取すると分割,包装,服用ともに作業する

のに適当な量となり,しかも正確に行えるようになる.また乳幼児の場合は

秤量,分割,包装の正確さを失わない限り,量はなるべく少なくする方がよ

い.

 患者に2回以上にわたって同一処方を調剤するときには,患者に不安感を

いだかせないよう,賦形剤の種類と量を一定にし,1回の服用量に変化をき

たさないよう注意を払うことが必要である.このことは調剤内規などによっ

て薬局内で統一一しておくことがのぞましい.

賦形剤

 調剤に用いる賦形剤は,通常,乳糖またはデンプンあるいは乳糖とデンプ

ンの混合物である.しかし,繁用されている乳糖には,粉末乳糖(粒子径74

μm以下)と結晶性乳糖(149~177μmを中心とした粒度分布をもつ)ならび

に造粒乳糖(210~350μmを中心とした粒度分布をもつ)があり,それぞれ物

性が異なっている.

 粉末乳糖は安息角が大きく,流動性がきわめて悪いことから自動分割包装

機への適合性が悪い.また,結品性乳糖あるいは造粒乳糖のみを賦形剤に用

いると,主薬の均等性が保てなくなる.これらの諸問題を解決するものとし

て,複合乳糖は分包機への適合性,他剤との混合性および取り扱いやすさの

点ですぐれている.

 

 複合乳糖’1

*1ばば同様の物性を有する乳糖として,倍散用結品乳糖が市販されている.

[処方] 結品性乳糖

     粉末乳糖

       全 量

(2)混和(混合研和)

 A)用具

CrystaⅢne Lactose

Fine Lactose

 

 乳鉢恬乳棒’2,薬匙,ふるい,謌剤用混合機(器)などを用いる.乳棒は乳鉢の底面によく接触するものを選び,乳鉢の大きさは薬量に比べて小さすぎないように(だいたい乳鉢の深さの垢をこえない程度)注意する.