漢方エキス製剤

 漢方薬が現代医療のなかにとり入れられ保険診療でも採用されるようになった.この場合,漢方本来の方式である[随証療法]に基づいて処方されるだけではなく,近代医学の適応症に基づいて用いられることもある.

 

 また,漢方本来の混合生薬の湯液療法ではなく,粉末エキス剤の細粒,顆粒,錠剤などの形で用いられることが多い.この際,漢方製剤の有効成分や薬理作用がまだ十分に解析されていないため,エキス製剤を製造するうえで問題を生じることもある.

 

 現在,製品化されているエキス製剤は,呼吸器,循環器,消化器,腎,内分泌,血液,リウマチ,神経,産婦人科,皮膚科,泌尿器,耳鼻科などの疾患を対象にして約160の方剤の粉末エキス剤が使われている.

 

 A)製剤処方例

 葛根湯エキス

組成

 本品1日量(7.5g)中

 日局カッコン

 日局タイソウ

 日局マオウ

 日局カンゾウ

 

 

 クロフィブラートは軟カプセルであるからカプセル剤だけを別に分包,カプセル付散剤とする.または塩酸ヒドララジン10 mg 錠,デキストラン硫酸ナトリウム300 mg 錠の市販の錠剤を用いれば,パントシンのみ秤量して錠付散剤としてもよい.

 

 錠剤またはカプセル剤を一括して別包とする場合は,ポリエチレン製などの袋を使用し,服用法を明記して薬袋に同封して交付する.さらに薬袋には「散剤1包と錠剤(⊃錠とを同時に服用して下さい)など明記して,服用の際に誤りの起こらないように注意する必要がある.