錠剤の条件

 

 錠剤の成分骨量,成分の変化,崩壊性および溶出性に関しては,薬物の効果発現に重要な影響を及ぼすので,薬剤師は錠剤の品質管理を常に留意して,不審な点があれば直ちに試験できるように設備と技術を備えておかねばならない.また,ひびわれ,変色など外観上からも品質異常が推定できる場合もあるので,調剤時は常に細心の注意を怠らないことが必要である.

 

 ここでは錠剤の品質管理上必要な試験法について記載するが,錠剤の試験はこれらにとどまらず,あらゆる角度から慎重に行われるべきものである.また個々の錠剤の特性を理解することは,患者が正しい服薬,保管を行うための服薬指導情報としても重要である.

 

(1)含量の変動および重量偏差が小さいこと

 

 日局では錠剤の成分の含量および重量偏差の変動の許容範囲を定めている.錠剤の含量はこの許容範囲にあるべきことはもちろん,その範囲にあっても変動幅はなるべく小さく,均一な含量が保持されているべきである.変動範囲の大きい錠剤からは一定の薬物効果は期待できない.

 

 含量均一性試験(日局)は,エチニルエストラジオール錠,ジゴキシン錠,プレドニゾロン錠,ニトログリセリン錠などに適用される試験法で,錠剤の個々の主薬成分の含量の均一性を試験するものである.この試験は主薬含量を問題としており,製剤中の薬効を保証し,薬剤投与量の正確性を確保する,すなわち治療の質を保証するための計量試験として重要である.