錠剤調剤のコンピュータ化

 

 

(1)自動錠剤包装機の利用

 

 コンピュータを内蔵している自動錠剤包装機は,病院における入院調剤の一回量調剤(oen dose one package system)に不可欠の調剤機器になりつつある.本機による調剤は,キーボードあるいはタッチパネルから薬剤名,1日の分量または一回の用量(錠数)あるいは薬包紙に印字する患者名を入力することによって行われる.これによって薬剤の選択,計数,分包,日数および服用指示(服用時間)の調剤プロセスのすべてが自動的に行われる.錠・カプセル剤の従来の計数調剤の作業過程のほとんどがキーボード操作にとって変わったものである.このような自動錠剤分包機を単独で機能させる場合は,調剤の正確性はキーボード操作に集約される.この場合の調剤鑑査は,調剤(分包)された薬剤を処方せんと照合して,キーボード操作とハードエラーをチェックすることである.包装された調剤薬の全部を1個ずつ識別しで確認する方法は,最善の方法ではあるが作業は容易ではない.

 

(2)自動調剤

 

 病院の情報処理にコンピュータが導入され,処方せんがコンピュータ了薬糾部へ転送されるような処方オーダーシステムが採用されている病院では,処方廿ん情報をオンラインで自動錠剤包装機へ受け,錠・カプセル剤の自動調剤が行われている.このようなオンラインによる自動錠剤調剤では,薬剤師は改めて自動錠剤包装機へ薬剤名,分量あるいは用量,用法,投与日数を入力する必要はなく,患者番号あるいは処方せん発行番号を人力するのみで調剤を行うことができる.このような調剤は処方せん監査済みであることが前提となっていなければならない..すなわち,処方オーダーシステムとオンラインでつながった自動錠剤包装機を使って調剤する場合は,オンラインシステム内の処方の監査システムは薬剤師によって医薬品情報管理が行われ,その機能によって処方監査が行われ,さらにディスプレイ上で薬剤師が処方内容を確認して,薬剤師の『調剤する意思』に基づいて自動調剤機が作動するという,調剤の原則に基づいたシステムが働いていなければならない.

 

 内動調剤の利点は,処方オーダー情報を直接利用するため,鰒械のハードエラーを除けば,処方の誤読,キーボードの操作ミス(薬剤名のタイプ、薬剤の取り違いなどの過誤の発生が抑えられることと,調剤業務の迅速化か確保されることにある.また分包紙に患者名平服薬時問を機械的に印字して服薬過誤防止が図られる意義も大きい.

 

 自動調剤における第一の過誤対策は,自動錠剤包装機への薬剤のセット,補充の管理と機械のメンテナンスにつきる.