トローチ剤の一般調製法

 本剤は,通例,医薬品をそのまま,又は賦形剤,結合剤若しくはそのほかの適当な添加剤を加えて均等に混和してから,1)適当な方法で頸粒状とした後,滑沢剤などを加え,圧縮成型する,2)直接圧縮成型して製するか,又はあらかじめ製した顆粒に医薬品をそのまま,若しくは適当な添加剤を加えて均等に混合した後,圧縮成型して製する,3)均等に混和して湿潤塊とし,これを板状として一定の形状に打ち拔くか,又は切断した後,乾燥する,の3種類のいずれかの方法によって製して,必要に応じて芳香剤,着色剤,聯珠剤などを加えることができる.

 

トローチ剤の条件

 

トローチ剤の重量偏差試験 トローチ剤は,重量偏差試験を行うことが規定されている.

 

 この方法は製剤の重量の偏差を含量の偏差とみなし,個々の製剤の重量を測定することにより,製剤の主薬含量の均一性を推定し試験する方法である.

 

従って,含量均一性試験を適川した場合にはこの試験法を適用しない.また,定量法に規定する方法を成分含量の測定法として用いることにより,この試験法に代えて含量均一性試験法を適川することができる.

 

 本剤30個をとり,初めに10個についてその重量を精密に量り,判定値を計算するとき,この値が15.0%を超えないときは適合とする.判定値が15.0%を超えるときは,更に20個について同様に重量を測定し,2回の試験の合計30個についての判定値を計算するとき,この値が15.0%を超えず,かつ個々の製剤の含量の推定値と表示量の偏差が表示量に対し25.0%を超えるものがないときは適合とする.

 

トローチ剤の調剤

 

 トローチ剤は,保険調剤では外用薬に分類されており,原則的に外用の薬袋を用いて患者に交付する.

 

 処方せん上ではトローチ剤の用法は,処方例に示すように,一般的に内用薬と同じように指示される.薬袋上の用法記載も内川薬と同様,『1日何回1個ずつ』と表わし,さらに,①口中に含んで徐々に溶かすこと,②かみ砕いたりしないこと,③飲み込まないことなど,トローチ剤の川法の特性を,バッカル錠の場合のように服薬指導票を添付したり,あるいは薬袋上にスタンプを押すなどして指示する.

 

トローチ剤交付時の注意事項

 

 トローチ剤の患者への交付に際しては,用法について口頭でも注意を促すことが大切である.また本剤使川後は,しばらく飲食を控えさせることも指導しなければならない.-一般的に本剤は大型の錠剤のため,幼児に川いる時は,誤って気管に入らないように,本人または家族に注意を換起しておくことが必要である.