崩壊試験

 

 顆粒剤

 

 顆粒剤を30号(500μm)ふるいを用いて粒度の試験に準じてふるい,30号ふるいに残留するもの0.10gずつをそれぞれ補助筒6佃にとり,補助筒を試験器のガラス管に1個ずつ入れて底に固定し,別に規定するもののほか,試験液に水を用い,30分間上下運動を行った後,補助筒を取り出して観察するとき,試料の残留物を補助筒内に認めないか,若しくは認めても原形をとどめるものが補助筒に限るとき,又は認めても皮膜であるか,若しくは軟質の物質若しくは泥状の物質がわずかのときは適合とする.ただし,剤皮を施した顆粒については,試験液に水を用い,60分間上下運動を行う.

 

 腸溶性の製剤(顆粒剤及び顆粒状の形で充てんしたカプセル剤)

 

 次の(ア)第1液による試験及び(刊第2液による試験の2つの試験を行う.

 

(ア)第1液による試験

 

 顆粒剤又はカプセル剤中より取り出した内容物を30号(500μm)ふるいを用いて製剤総則7.顆粒剤の項に規定する粒度の試験に準じてふるい,30号ふるいに残留するもの0.10gずつをそれぞれ補助筒6個にとり,補助筒を試験器のガラス管に1イ固ずつ入れて底に固定し,試験液に第1液を用い,60分間上下運動を行った後,観察するとき,試験器の網日から落ちる粒子が15粒以内のときは適合とする.

 

(イ)第2液による試験

 

 別に第1液による試験と同様の方法により試料0.10gずつをそれぞれ補助筒6個にとり,補助筒を試験器のガラス管に1個ずつ入れて底に固定し,試験液に第2液を用い,30分間上下運動を行った後,観察するときレ試料の残留物を補助筒内に認めないか,若しくは認めても原形をとどめるものが補助筒1個に限るとき,又は認めても皮膜であるか,若しくは軟質の物質若しくは泥状の物質がわずかのときは適合とする.

 

 

崩壊試験

 

 顆粒剤

 

 顆粒剤を30号(500μm)ふるいを用いて粒度の試験に準じてふるい,30号ふるいに残留するもの0.10gずつをそれぞれ補助筒6佃にとり,補助筒を試験器のガラス管に1個ずつ入れて底に固定し,別に規定するもののほか,試験液に水を用い,30分間上下運動を行った後,補助筒を取り出して観察するとき,試料の残留物を補助筒内に認めないか,若しくは認めても原形をとどめるものが補助筒に限るとき,又は認めても皮膜であるか,若しくは軟質の物質若しくは泥状の物質がわずかのときは適合とする.ただし,剤皮を施した顆粒については,試験液に水を用い,60分間上下運動を行う.

 

 腸溶性の製剤(顆粒剤及び顆粒状の形で充てんしたカプセル剤)

 

 次の(ア)第1液による試験及び(刊第2液による試験の2つの試験を行う.

 

(ア)第1液による試験

 

 顆粒剤又はカプセル剤中より取り出した内容物を30号(500μm)ふるいを用いて製剤総則7.顆粒剤の項に規定する粒度の試験に準じてふるい,30号ふるいに残留するもの0.10gずつをそれぞれ補助筒6個にとり,補助筒を試験器のガラス管に1イ固ずつ入れて底に固定し,試験液に第1液を用い,60分間上下運動を行った後,観察するとき,試験器の網日から落ちる粒子が15粒以内のときは適合とする.

 

(イ)第2液による試験

 

 別に第1液による試験と同様の方法により試料0.10gずつをそれぞれ補助筒6個にとり,補助筒を試験器のガラス管に1個ずつ入れて底に固定し,試験液に第2液を用い,30分間上下運動を行った後,観察するときレ試料の残留物を補助筒内に認めないか,若しくは認めても原形をとどめるものが補助筒1個に限るとき,又は認めても皮膜であるか,若しくは軟質の物質若しくは泥状の物質がわずかのときは適合とする.

 

 

顆粒剤の試験

 顆粒剤は日局で粒度および崩壊試験法が定められている.また,1回服用量ずつ包装した形態のもの(以下[顆粒剤(分包)]という)については重量偏差試験法が定められている.

 

(1)粒度の試験(製剤総則参照)

 本剤20. Ogを正確に量り,前記のふるい及び受器を重ね合わせた用器の上段のふるいに入れ,上ふたをした後,3分間水平に揺り動かしながら,時々軽くかたいてふるった後,各々のふるい及び受器の残留物の重量を量る.ただし,この試験に用いるふるいの枠の内径は75 mmとする.

 本剤は,別に規定するもののほか,崩壊試験法に適合する.ただし,溶出試験の適用を受けるもの及び30号(500μm)ふるいを用いて粒度の試験に準じてふるい,30号ふるいに残留するものが5%以下のものにはこの試験を適用しない.

顆粒剤の特徴

 

 古くから使用されてきた散剤には,付着・凝集性や飛散性など,調剤の際の取り扱いやすさと服用のしやすさに問題点があった.これらを改善する目的で導入されるようになったのが顆粒剤である.

 

 顆粒剤の利点と欠点には次のようなことがあげられる.

(1)利点

 ①粒度がそろっているので粒休としての特性があり,散剤に比べると流動

  性や充てん性がすぐれている.したがって,自動分包機での分割が容易

                    で,分包時シール部分に粉末が付着することが少ない.

 ②飛散性・発塵性が小さい.

 ③散剤より服用しやすい.

 ④適当な製剤加工で服用しやすい味に変えることができる.

 ⑤剤皮などの製剤設計で崩壊性や溶出速度を調節できる.

 なお,以前は粒度がそろっているので合匙を用いて任意の一定量を正碓に取ることができることも利点とされていた.しかし,合匙などの計容量法で調剤するには,あらかじめ容量と重量との対応を顆粒剤ごとに調べておく必要があり,顆粒剤の種類が多いとそれだけ手間がかかることになる.そのため顆粒剤もしだいに秤量調剤されるようになり,現在では合匙の使用は一般的ではなくなってきている.

(2)欠点

 ①一般に転動性が大きいので薬匙などで扱いにくい.

 ②粒度,かさ密度あるいは配合量の異なる顆粒剤相互,または顆粒剤と散

  剤とは均一な混合は困難であるとされている.

外用散剤

 外用散剤は主として皮膚粘膜のびらん,湿疹,潰瘍面などに散布剤として用いる.散布剤は皮膚表面を機械的に保護し,乾燥し,あるいは冷却するために用いられる.したがって散布剤は皮膚面に適当に付着性を有し,化学的および生理的に影響がなく,薬物の作用を阻止するものであってはならない.散布剤の粉末の粒子径は用途に応じて適当な粒子のものを選ぶべきである.たとえば鼻腔および咽喉に噴霧するものは微細な粉末でなければならない.日本抗生物質医薬品基準の製剤総則では75μm以下と規定している.

 

 散布剤には,そのまま単独で用いる場合と基剤として他の薬物を混合して用いる場合とがある.すなわち,粉末薬剤をそのまま滅菌して用いる場合と亜鉛華デンプンのように基剤そのものを混合したもの,また,主薬に基剤,安定剤,滑沢剤,緩衝剤,保存剤,着色剤,芳香剤を加えて製することもある.通例,次の散布剤用基剤が用いられる.

 ①タルク

 化学的にきわめて安定な物質である.脂肪ようの感触があり,滑沢性,付着性および被覆力は良好で,滅菌も容易である.欠点としては疎水性が弱い.

                   ②酸化亜鉛

 弱塩基のため酸を中和し,緩和な殺菌消毒作用を有するが,滑沢性に欠けるところがある.

 ③デンプン

 付着性と滑沢性にすぐれている.粒子は細かく,吸湿性も高いとされている.

 

 バレイショデンプンは付着性は良好であるが,コメデヅプンのばうが軒決で冷却作用は良好である.欠点としては,水分によりのり状となり,細菌に対して良好な培養基となる.したがって散布剤基剤としてはデンプンのみではなく,タルクなど他の安定性のあるものを加えるのがよい.

 

 ④アルミニウムクロロヒドロキシアラントイネート

 アルミニウムクロロヒドロキシアラントイネートは損傷皮膚組織の修復作用をもち,工g中60 mgを含有する製剤が市販されている.このものは患部に直接散布することにより,鉗盾,皮膚潰縦など損傷皮膚組織の修復と分泌物の吸着により,患部の乾燥,治朧を促進するものである.

 

(適応)褥瘧,手術傷,熱傷・外傷における皮膚のびらん,潰蕩.

 ⑤滅菌散布剤

 散布剤の滅菌は熱伝導が悪いので高温を必要とするからむずかしい.この高温に耐えられない散布剤は,あらかじめ200度で滅菌したペトリ皿上に薄めて広げて100~150度で2~3時間均等に熱がゆきわたるようにときどきか訓昆ぜなカマら加熱滅菌する.熱に安定な散布剤は適当な容器に入札, 180度で1時問滅菌する.また,加熱に耐えられないものでは紫外線照射によって滅菌する場合もある.

 

 サリチル酸亜鉛華デンプン

[処方] サリチル酸

    酸化亜鉛

    バレイショデンプン

全 量

Salicylic Acid

Zinc Oxide

Potato Starch

 

散剤の調剤上の注意事項

 

 

(1)コンタミネーション(汚染)の防止

 

 散剤調剤は一つの器具で多種の医薬品を取り扱う場合が多い.例えば秤量紙,スパーテル,調剤用ふるい,乳鉢,乳棒,包装機のシュート,受け皿などは繰り返し使用するため医薬品が残存し,これが次の調剤時のコンタミネーションとなる可能性がある.謌剤薬の適正使用の観点からコンタミネーションについては十分考慮することが必要である.また調剤室の空調設備の完備,除塵対策も必要である.

 

(2)装置瓶の取り扱い

 

 医薬品を装置瓶に充てんする際,充てん誤りを防止するよう十分心がける必要がある.装置瓶から医薬品を秤量する際も,装置瓶の取り違いのないように薬局内でルールを作って適正に行われるように注意しなければならない_

 

散剤交付時の注意事項

 

(1)薬剤交付に際してはまず処方せんと薬袋を照合して患者の氏名および用法の記載に誤りのないことを確かめ,次に患者を確認して交付する.あらかじめ処方せん受付のときに処方せんと同一番号を記した番号入り薬剤引換券を患者に渡しておくのがよい.

 

(2)梅雨期,夏期など湿気の多い時期には,多少でも湿潤性のある医薬品は防湿薬包紙で包装し,患者に交付する際,缶などに入れて保存するよう指示する.

 

(3)組み合わせ散剤は必ず白,青と組み合わせて薬袋に入れ,必ず一緒に服用するよう説明する.

 

(4)錠剤,カプセル剤などを別包とした場合は,その容器または薬袋に服用方法を表示するだけでなく,口頭で患者によく説明し,特に服用ごとにその数が異なる場合は懇切な注意を要す なお,エンテリックコーティンダ錠,糖衣錠,カプセル剤,丸剤などは,かみ砕かないで服用するよう説明する.

 

(5)服用時間については,抗てんかん剤,抗生物質などは血中濃度を平均して維持するため,また降圧利尿薬,経口糖尿病薬などは特に過量の服用を避けるため,指定の時問を厳守するよう説明する.

 

(6)鉄剤は茶,コーヒーなどタンニンを含有する飲料とはなるべく飲用を避け,またサルファ剤やキノフェンなどは尿路結石の原因となることがあるので,尿量を増すために多量の水で服用するなどの注意も必要である.テトラサイクリンは牛乳や乳製品あるいは, Al, Mg含有制酸剤と服用すると吸収をさまたげるため,同時服用を避けるよう指導する.

 配合により変色する散剤

 

 酸化マグネシウムとフェノバリン,酸化マグネシウムとダイオウ末,またはサリチルアミドとケイ酸アルミニウム末などは,着色または変色するが,ほとんど薬効に変化がないので必ずしも組み合わせ散剤としなくてもよい.その際には患者にその旨をよく説明しておく必要がある.