一日最低、三〇〇グラムはヨーグルトを食べる

 

 腸内環境を整えるためには、理想をいえば一日に五〇〇グラムはヨーグルトをとりたいところです。腸内細菌の研究で有名な東大名誉教授の光岡知量先生は、ベルリン自山大学

に留学していたとき、ヨーグルトを三五〇グラム以上とっている人は病気をしないこと気づいたそうです。そこで帰国後はご自分も毎日四〇〇グラムはヨーグルトを食べて、八十四歳になられますが元気に過ごしておられます。

 

 私も、昼食には十五年来、リンゴとヨーグル九五〇〇グラムをとっています。

 

 最初は牛乳を毎日。リットル飲んでいたのですが、私は乳糖を分解できない乳糖不耐症体質なのでお腹がゴロゴロする上、四キロも太りました。ヨーグルトに変えてからは、体調もよく、腸の調子が非常によいのです。

 

 牛乳と比べてヨーグルトは乳酸菌の働きで乳糖が半分ぐらい分解されているので、私のように、乳糖を分解する酵素がない人でもおなかを壊すことなく、安心して食べられます。近年、「カフカスコーカサス)遺伝子」という遺伝子が、遺伝子解析により発見されましたが、この遺伝子を持つ人(北欧、米国に多い)は、乳糖不耐症でないことがわかっています。乳糖耐性ならば、成人した後も大14の牛乳を消化できますが、一般に、日本人などアジア人には非保有者が多いと言われています。

 

 量については、五〇〇グラムとるのが理想ですが、なかなか大変でしょうから、好みの味のヨーグルトを探して、せめて一日に三〇〇グラムは食べることを勧めています。

 

 いまはいろいろな種類のヨーグルトが出回っています。

 

 カスピ海ヨーグルトは人気がありますね。もともと乳酸菌には球形をした球菌と長細い形の乳酸桿菌があります。カスピ海ヨーグルトには球菌が多いので、形状の点から1グラムあたりに含まれる乳酸菌の量が多くなります。ふつうのヨーグルトの一二~五倍、乳酸菌が含まれているので、それだけ乳酸菌の効力も高いといえます。

 

 また、カスピ海ヨーグルトは「一晩おいても腐りにくい」といかれますが、これは抗生物質のような腐敗を防ぐものが作られているからだとみられています。

 

 ブルガリア菌を使ったブルガリアーヨーグルトもケフィアグレンという糖で発酵させたケフィアなども同じようなものだと思います。ブルガリアはヨーグルトを常食としていることで有名ですが、ここのヨーグルトは牛乳に入れた蟻酸や(Iプで雑菌が増殖するのを防ぐのが特徴です。いずれも、効用などにはほとんど差はありません。

 

 古代エジプトで動物を家畜にし始めたのが約九〇〇〇年前、これは人間が乳糖耐性を促す変異が生じた時期と一致するそうです。家畜を食糧として殺さずに、その乳を飲むことで継続的に栄養分をとることが可能になりました。

 

 牛乳を選ぶときは、その牛がどういう育ち方をしたかに注意してください。成長を促進するためにホルモンを投与されていたり、抗生物質入りのエサを与えられている牛ではなく、自然に、放し飼いにされている牛が理想です。

がん再発を防ぐ完全食:済陽高穂著より