青背の魚は新鮮なものを。赤身は避ける

 

 イワシやアジ、サパなど青背の魚は許容範囲ですが、カツオやマクロなど赤身の魚は気をつけなければなりません。赤みの成分ミオグロビンがすぐ酸化しやすく、害となるからです。

 

 魚に含まれる脂肪は不飽和脂肪酸という脂肪が主体です。動物性脂肪が飽和脂肪酸といって、血中のLDLコレステロールを増やし、動脈硬化の危険を高めるのに対し、不飽和脂肪酸は血中コレステロールを減らし、動脈硬化を防ぐ方向に働きます。とくに、青背の魚に含まれる脂肪で有名なのが、HPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)です。動脈硬化に関してはどちらも防ぐ方向で働くのですが、その働きはEPAの方がより強く、中性脂肪や悪玉コレステロールを減少させ、血管の緊張もゆるめるとされています。一方、DHAの方は、脳神経細胞の情報伝達をよくしたり、修復する働きがあることから、脳の老化防止に役立つとされています。

 

 がんとの関係でみても、青背の魚は、四量歩行の動物の肉ほどは毒性がないこと、さらに動脈硬化を防ぎ、末梢の血液循環をよくするという意味において、免疫系の細胞などが働きやすくなります。血液がサラサラになり、血管の内腔も広ければ、マクロファージやナチユラルキラーなどの免疫システムの一部を担う白血球が、髪の毛よりも細い毛細血管内を自在に移動することがてきます。それだけ、がん細胞を見つけて、殺す働きも効率上く行えるのです。

 

 青背の魚に含まれる不飽和脂肪酸(n-3系)は、赤血球膜を柔らかくして、末梢循環をよくする働きもあります。ただ、脂肪は脂肪ですから摂る量はあまり多くならないよう、また酸化していない、新鮮なものを食べるようにしてください。

 

 青背の魚であっても、血合い肉の部分は赤身と同様に、ミオグロビン(筋肉中にあって、酸素を貯蔵するタンパク)やヘモグロビンが豊富なので避けましょう。

がん再発を防ぐ完全食:済陽高穂著より