白身の魚を丸ごと食べる

 

 青背の魚に対して、赤身の魚にはミオグロビンが非常に豊富で、酸化しやすい性質があります。健康な人には栄養になりますが、がんの人の体は酸化に対して人変デリケートになっていますので、基本的には避けたほうがいいと思います。酸化もまた、発がんの大きな要因だからです。牛肉や豚肉などと同じように、少なくとも半年は、赤身の魚は避けておきましょう。

 

 その点、白身の魚は安定しています。その代表がサケです。サケの身はご存知のとおり、きれいなピンク色をしていますが、赤身の魚ではなく、白身の魚に入ります。あの赤みは「アスタキサンチン」というカロチン系の天然色素によるもので、抗酸化活性が非常に咼く、脳血管関門(脳に異物が入らないように物質を選別する関所のようなもの)も通過できるため、認知症予防にも効果があることが解明されています。

 

 カレイやヒラメ、タラなどの白身魚も許容範囲です。

 

 魚は内臓にいろいろなミネラルや酵素、代謝物質が含まれているので、内臓も。緒に丸ごととる方が有用です。魚でも肉でも野菜でも、有害・無害さまざまな成分がひとつの食べ物のなかに含まれ、全体で生物としてのバランスが整えられているからです。何かひとつの成分や栄養素だけを取り出して食べるというのは、おすすめできません。βカロチンだけをサプリメントで摂取しても、がんの予防にはつながらなかった。

 

 丸ごと食べられるという点では、ウルメイワシやシラス干し、ホタルイカなどがタンパク摂取源として適していますが、干物などの塩蔵品、シラス干しは塩分が多いので、湯がくなどして塩抜きし、量は少なめにすることを忘れないでください。

がん再発を防ぐ完全食:済陽高穂著より