飲み水は自然水に

 

水は、心不全や腎不全で水分制限がない限り、少なくとも一日に一リットルは摂取する必要があります。

 

 しかし、間題はその質です。最近は日本でも、ペットボトルのお茶やコーヒーが増えてきましたが、あまり感心しません。いつでも水分補給ができる点はよいのですが、ペットボトルにしても缶にしても、保存期間に成分の変性をみるからです。

 

 ならば、水道の水がよいか、というとこれもノーです。日本の水道水は、大腸菌などの雑菌が少ないという点では評価されますが、活性酸素が多く含まれています。活性酸素は動脈硬化や老化を促進し、免疫力を低下させ、発がん性を高めます。また、水道水に含まれるフッ素や殺菌のために使われる塩素も毒物です。最近減ったとはいえ、まだ鉛の水道管もかなり残っています。この管から溶けだす鉛成分も間題です。

 

 こうした点をかんがみると、たとえば小・中学生が運動したあと、校庭の水のみ場で水道水をじゃぶじゃぶ飲んだとしても若い人は代謝がいいので許容されます。ですが、代謝が悪くなりがちな高齢者や、がんの人は水道水は飲むべきではありません。

 

 では、どんな水ならばよいのかというと、私が勧めているのは「自然水」です。自然水にも、活性酸素は少し含まれていますが、水道水よりはおすすめです。近くに自然水を汲める環境にあるならばいいのですが、ふつうは購入することになると思います。

 

水の糖類には、

 

①    ナチュラルウォーター

 

 特定の水源から採取された地下水を濾過、加熱殺菌したもの。

②ナチュラルミネラルウォーター

 天然のミネラルが溶け込んだ地下水で、加熱殺菌されていないもの。

③ミネラルウォーター

 複数のナチュラルミネラルウォーターを混ぜたり、ミネラル成分を調整したもので、濾過、加熱殺菌されているもの。

④ボトルドウォーター

 蒸留水など地下水以外の水を原料として、殺菌したもの。

 

 の四糖類があります。このうち、高齢者やがんの人に向くのは、加熱殺菌処理をしていない②のナチュラルミネラルウォーターです。これは、農林水産省が定めた基準で市販のボトルにも、どのタイプの自然水か表示されていますから、必ず確かめて入手するようにしてください。

 

 飲み方としては、緑茶を利用しましょう。食事療法をしている人は、大量の野菜ジュースをとるのであまり喉は渇かないかもしれませんが、欲しくなった時は緑茶がお勧めです。緑茶に関しては、食中毒の予防やインフルエンザの予防効果が報告されている他、緑茶を一日十杯以上飲む人には、がんが少ないこともわかっています。

 

 そして最後に、食事療法と同時に、断酒・禁煙を実行してください。少なくとも、最初の半年、体質改善にもっとも重要で食事療法も徹底して行うべき最初の半年の間は、お酒もきれいに絶ち、タバコもやめてください。

がん再発を防ぐ完全食:済陽高穂著より