プロテウス・ミラビリスとセラチアは全菌株がテトラサイクリン耐性


テトラサイクリン体制を支配するプラスミドはかなりの頻度で存在し、発現する耐性は非常に高いです。主なる耐性機構は、膜タンパクの新生や変化によって菌体内からテトラサイクリンが排出され、そのため菌体内の濃度が抗菌作用を示しうる濃度にまで達しないことによります。この他に作用標的の変化や薬剤の不活化が関係している例も存在します。
テトラサイクリン耐性菌は、世界中の腸内細菌科に属する分離菌株に広く分布しています。プロテウス・ミラビリスとセラチアは全菌株がテトラサイクリン耐性ですが、伝達性はありませんのでご安心を。1977年、これらの予防のためにテトラサイクリンを使用した後、テトラサイクリン耐性コレラ菌の最初の大流行がタンザニアで始まりました。それはエルトール型コレラ菌で、他にサルファ剤、ストレプトマイシン、クロラムフェニコール、カナマイシン、アンピシリンに耐性でした。その後、同じ耐性パターンの伝達性Rプラスミドをもったコレラ菌が1979年から81年にかけてバングラデシュで、82年から83年にザイールで、83年に再びタンザニアで流行を起こしました。