消化性潰瘍治療剤アシフェックス


主力製品の特許切れが相次ぐ2010年問題への対応は各社共通の課題ですが、とりわけエーザイにとってアリセプトのプロダクト・ライフサイクルマネジメントは死活問題です。またアリセプトのあとの2013年5月に消化性潰瘍治療剤アシフェックス(日本名パリエット)の物質特許も米国で満了します。
アシフェックスの2007年度のグローバルの売上高は1759億円、そのうち米国は1247億円となっています。エーザイ武田薬品工業と並んで2010年問題への露出度が高いわけです。エーザイアリセプトのプロダクト・ライフサイクルマネジメントに自信を示しています。
仮にパッチ剤の開発が成功した場合、米国では3年間の独占権の延長が認められる可能性があります。すなわちジェネリックメーカーはアリセプトの経口剤は発売できますが、パッチ剤は2013年まで投入できないことになります。
アリセプトとアシフェックスのプロダクト・ライフサイクルマネジメントの行方については複数のシナリオが考えられますが、ベストシナリオはパッチ剤と「E2012」の成功によるアルツハイマー認知症治療剤のフランチャイズ防衛です。最悪のシナリオは2012年以降のエーザイの営業利益が半減するです。
また、1988年から足掛け20年間経営トップの座にある内藤社長の後継者問題も遅かれ早かれ浮上します。後継品と後継者の育成は待ったなしです。